エアバスのA380型機の未来が定まらない。すでにエアバスによる製造自体は終了が決まっており、製造済みの機体もその多くがコロナ禍で運航できずにいる状況だが、コロナ後については保有する航空会社によって方針がバラバラの状態だ。

 例えばブリティッシュ・エアウェイズは運航継続に前向きで、ヒースロー空港に駐機してメンテナンスも継続。これは、同空港の限られた発着枠を最大限活用するにはA380が有効との考えに基づくものだ。

 エミレーツ航空も運航継続を明言しており、2030年代中盤まで運航する意向も示している。

 一方、同じ中東系でもエティハド航空はこのまま退役の可能性が高いとしており、カタール航空は10機中5機を退役する可能性を示唆。

 このほか、中国南方航空は検討中で、カンタス航空は少なくとも3年は運航できないとの予測を示している状況だ。コロナ禍からの回復が急ピッチで進み、経済合理性が高ければ各社とも運航を再開するのが当然で、業界としてもそれが望みではあるが、果たして―。