今週のアクセスランキングでは、2位に「ダイバーシティにスポットライト、旅行観光産業のマーケティングトレンド」が入った。サステナビリティやこういった話題は前職の頃から分かりやすく他よりアクセスが伸びず、モチベーションはあるのに優先順位を上げられずにいたのだが、これなら話は変わってくる。社会の変化なのだろうか。

ちょうど来週末には、3年ぶりにLGBTQ+の祭典である「東京レインボープライド」が代々木公園とオンラインのハイブリッド形式で開催される。一昨年と昨年はオンラインでの開催のみだったので、リアルでの開催は3年ぶりだ。

筆者が最初にLGBTQ+について直に知ったのもたしか2014年か2015年のこのイベントだった。その当時は自分がいる場所とは別の、異次元のような世界だと思っていたし、はっきり言えば恐怖やもしかすると嫌悪も感じていたかもしれない。しかし百聞は一見にしかずで、実際に行ってみて多くの参加者と触れ合ったことでそうした感覚はすべて氷解した。

そして記憶が正しければその時は今のようにスポンサーも多くなく会場も手作り感のあるアットホームな雰囲気だったが、今やありとあらゆる有名企業がこぞって出展している。そして逆に、今は対応を誤れば極めて大きなダメージを負う時代でもあり、最近ではあのディズニーですら失敗してしまった

旅行・観光のビジネスに意欲があって少しでも時間があるのであれば、興味がなくても一度は足を運んで見るべきだ。会場には観光局のブースもあるが、それがなかったとしても必ず何かを得られると思う。それに、イベント自体も(スポンサー側の理屈が幅を利かせていなければ)それだけで十分楽しめるはず。筆者も3年ぶりの訪問を心待ちにしている。

それから心待ちと言えば、イベントがこうして開催できるようになったことも嬉しいが、ついに海外ツアー再開の一報も入ってきた。号砲も鳴らされず、すうっと静かになるべく波風を立てないような雰囲気で始まっているのが気持ち悪いものの、きっと今後のコロナの後始末もこんな様子で進むのだろう。

昨日も久しぶりに尾身さんが記事になっていると思ったらたった2段落の短い記事で「対策は新しいフェーズに入った」という意見が伝えられており、こうして「なんとなくそうなのかな」という空気が徐々に醸成され、ゴールデンウィークには2年ぶりにハワイツアーに行く旅行者の姿がテレビに登場し、5月中には訪日旅行の(おそらく残念ながら若干の)解禁も発表されると予想している。

別の変異株出現のリスクだけが気がかりだが、それがなければ夏には2019年比で40%くらいの需要回復も期待できるかもしれない。海外の「史上最高の夏」予測に比べると寂しいところだが、それでも「ようやくここまで来た」という感慨は大きい。(松本)