6月はLGBTQ+の当事者の権利を啓発するプライド月間のため、旅行観光関連企業が積極的に取り組みや情報発信をしているほか、海外メディアでもいつも以上にLGBTQ+ツーリズムについてのコンテンツが増加している。

Booking.comが1日に発表した調査結果によると、日本を含む25ヶ国の5514人の当事者にアンケートを実施したところ回答者の55%がこれまでに旅行中に差別を経験したと回答。ジロジロ見られたり嘲笑されたり、あるいは汚い言葉で罵られたりしたというもので、別の質問でも旅行中に「歓迎されていない、あるいは居心地が悪いと感じた」との回答が82%に上ったという。

旅行に関する選択の場面でも、64%がLGBTQ+の当事者として旅行時の安全と幸福(wellbeing)を考慮すると答え、特にクィアとゲイの層はそれぞれ75%、74%と高い結果となった、特にこのほか、51%は旅行先の候補がコミュニティ内の情報から影響を受けていると回答し、アクティビティ選びへの影響も55%が指摘したという。

また、Business Travel Show Europeの調査では、欧州企業のトラベルマネージャー229人にアンケートを実施したところ、66%がLGBTQ+の出張者を念頭に置いた規定は設けていないと回答。設置済みは26%で、年内に導入予定も8%に留まった。出張に関しては昨年にSAPコンカーも別の調査を実施しており、LGBTQ+出張者の95%は安全の確保を主な理由として自らの性的指向を隠すと答えたという。

なお、Booking.comの調査では「これまでの旅行体験の大部分は歓迎されていた」と回答した割合も85%に達し、ゲイとレズビアンの層では90%に上るなど状況の改善を感じさせる設問もあり、旅行先の探索に自信を持っている回答者も84%と高い結果となった。