海外の宿泊業界では、リゾートフィーやデスティネーションフィーなどが宿泊料金以外の重要な収益源となっているが、最近ではさらに多様化、巧妙化している。

例えばマリオットやヒルトンなどの系列の大手ブランドの施設でも従業員が説明できない「サステナビリティ手数料」を課したり、毎日のハウスキービングを希望するなら1日あたり最大約72ドルの追加料金を支払うよう求めたりしているほか、チェックアウト時に「電気代」を請求するケースも報告されている。

また、ロンドンでは「宿泊客が自発的に拒否しない限り徴収される」任意のサービス料も登場。オンライン上では宿泊料金とリゾートフィーなど法的に必要な費用は表示しているが、こちらは「任意」を理由に表示義務を回避しているという。

そして、最近話題になっているのがハイアット系列のデスティネーションレジデンス・マウナラニ・ポイントで、1回の滞在あたり79ドルの「ダメージウェーバーフィー」を徴収。これは滞在中に備品などを破損した際の費用を補償する保険的な位置付けだが、任意ではなく必須。しかも、問題発生時に宿泊客が自ら報告する必要がありチェックアウト後に損害が確認された場合には相殺もしないなど荒々しい条件が並んでおり、炎上気味の状況となっている。

こうしたリスクや日常の運営コストを本体料金ではなく手数料の形で別途徴収する施策は、見た目の宿泊料金を引き下げられる効果はあるが、一度露呈すれば騒動のもとにもなりかねない。