コロナ禍で一般的となり働き方だけでなく行き方も大きく変えようとしているリモートワークだが、APによると、米国の求人情報サービス「Ladders」で今年第1四半期に掲載された米国とカナダの5万社の求人情報の約25%が恒久的なリモートワークのポジションだった。コロナ前の4%から数年で大きく引き上がったことになる。

これにより旅行観光産業でも滞在の長期化やデジタルノマド化、オフピークシーズンや平日の需要獲得などの変化が予見されるところで、デロイトの調査では今夏の旅行者の5人に4人が旅行期間を延長する予定であるほか、5人に1人は訪問先での仕事を予定していたという。

また、Hopperの米国内線運賃のデータでは、2022年の日曜日と月曜日は2019年比5.9%と3.0%上昇した一方、金曜日と土曜日は3.0%と1.6%値下がり。平均すると月曜日よりも土曜日の方が運賃が安くなっているという。

リモートワークの浸透とそれによる旅行市場への影響は、ルフトハンザ・イノベーション・ハブが運営するメディアTNMTも6月に特集を公開している

このほか業界内でもリモートワークの活用が始まっているが、OBSERVERによるとTrip.comでは従業員1600人超を対象に、半分は水曜日と金曜日に在宅勤務を選べるようハイブリッド型とし残りの半分は完全出勤としたところ、ハイブリッド型では離職率が7.2%から4.7%に改善。友人への推奨比率や仕事や生活の満足度も向上した。

さらに勤務時間が短くなっても成果に大きな差は見られず、生産性の向上も確認できたことから、Trip.comグループでは3月からハイブリッドワークの仕組みを導入している