グローバル・ビジネストラベル・アソシエーション(GBTA)は8月15日、世界の業務渡航市場について支出額が2019年水準の1.4兆ドルを回復するのは2026年と予想するレポートの概要を発表した

昨年11月発表の前回予想では24年と見ていたが、コロナ禍に加えて今年に入って以降のウクライナ戦争やインフレ、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの問題、労働力不足、中国の景気減速、サステナビリティ対策としての出張抑制などによる影響を考慮して見直した。

具体的には、2022年は前年比34%増の9330億ドルで2019年比35%減となり、2025年には1.39兆ドル規模となって2026年半ばに1.47兆ドルに達して2019年を完全に超えるとした。

地域別では、北米と西欧の回復が先行するとの見通しで、2026年までにそれぞれ年平均23.4%増と16.9%増のペースで成長すると予想。アジア太平洋については、2026年までの予想は示さず、2022年についてのみ2019年比66%まで回復するとした。中国市場が昨年は回復を牽引したものの、今年はゼロコロナ政策の影響で足を引っ張っる状況となっている。

調査は高頻度で渡航する出張者400人と出張予算の決定権を持つ役員約40人を対象に実施したもので、出張者の85%はビジネスの目的達成に出張が不可欠と回答し、また回答者の大半が来年の出張の増加を予測。一方、インフレや物価上昇、景気後退、コロナによる影響も7割前後の回答者が可能性を認めたという。