オーストラリア政府観光局(TA)はこのほど、「It’s Our Best Shot for Travel」キャンペーンを豪州国内で開始した。旅行需要そのものを喚起するのでなく「ワクチンを接種して旅行に行く準備をしよう」と訴えるもので、新聞やテレビ、オンライン、ソーシャルメディアなどで展開し始めている。
また、「IT’S OUR BEST SHOT FOR EVENTS」と題し、MICE業界のリカバリーに向けたメッセージも打ち出している。
CNNによると、TA本局局長のフィリッパ・ハリソン氏はキャンペーンの開始にあたり「友人や家族と会い、職場に戻って子供は学校に行き、国内外へ旅行に出かけ、そして諸外国の皆さんに豪州の魅力を楽しんでいただくために、私たちは私たちの日常生活を取り戻す必要があります」と意義を説明。
旅行観光産業は豪州にとって市民の13人に1人を雇用している重要な産業だが、2020年には18%の職が失われたといい、その一方でワクチン接種は思うように進んでいない状況。
こうした中で企業や業界団体も接種の推進に動いており、カンタス航空が接種者に「航空券の1年フリーパス」などのインセンティブを提供しているほか、豪州旅行業協会(AFTA)やビジネスイベント系団体も会員各社から顧客に対してワクチン接種を呼びかける取り組みを実施している。
また、TAは今後、有名シェフを起用した「Put a Jab on the Menu」のキャンペーンも予定しているという。
なお、こうした動きの一方で、ノーザンテリトリーは隔離施設への送迎サービスについて契約期間5年の入札を募集し、長期化を想定しているとの憶測も呼んでいる。