NDC体制への移行を超急進的な姿勢で進め結果的に失敗に終わったアメリカン航空(AA)だが、現在は代理店営業を含めた法人需要の再獲得に余念がないようだ。

米Travel Weeklyによると一度は解体(gutted)した営業部門を再構築しているところで、方針転換を表明した5月の後半以降にアカウントマネージャーの人数を20%増加。またセールスサポートのスタッフも79人追加済みで、さらに30人から50人の採用プロセスも進んでいるという。

また、法人契約を通して搭乗する旅客について、無料での座席指定や優先搭乗などの優遇サービスを提供する特典も10月10日に復活。こうした特典は、4月にNDC推進を狙って終了したCorporate Experienceプログラムに含まれていたもので、顧客企業や代理店からのヒアリングで特に要望が高かったという。

このほか、NDC経由での予約についてTMCに支払っていたコミッションも、当初は9月30日までの予定だったがこれも年末までへと期間を延長している

そして10月28日にはSkiftに記事広告も掲載、法人に向けてAAサービスの優位性をアピール。10月24日の米Travel Weeklyの記事では、こうした取り組みが少しずつ実を結んでいるという現状も紹介されている。

なお、AAのNDC戦略について米国トラベルアドバイザー協会(ASTA)が米運輸省(DOT)に対し介入を求めていたことが一因かは定かではないものの、DOTと米司法省(DOJ)はこのほど米国の航空輸送業界の競争状況について調査を開始。業界再編が運賃の値上がりや消費者の選択肢減少につながった可能性のほか販売チャネル、運賃設定、ロイヤルティプログラムなどについても調査の対象となるという。