Travel Weeklyによると、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の代表を退いてサウジアラビア政府の観光アドバイザーに就任した「ツーリズム業界で最もパワフルな女性」であるグロリア・ゲバラ氏は、サウジアラビアは観光振興に必要なもの3つすべてを備えていると評価している。

その3つとは「リーダーがビジョンを示すこと、適切な人材がいること、財源(資源)があること」。メキシコの観光大臣も務めた経験のあるゲバラ氏は3つすべてを揃えるのは困難なこととしつつ、サウジアラビアにはそれが見たこともないほど整っていると説明したとのこと。

リーダーについては、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子のビジョンとコミットメントは「この世のものとは思えない」レベルで、人材については観光大臣のアハメド・アル・カティーブ氏が銀行でCEOを務めた経歴を持ち、民間の考え方や観光がもたらす利益を理解。そして財源では、2030年までに旅行観光部門に1兆ドルを投じていく計画だ。

そして、2030年までの取り組みを定めた「ビジョン2030」は、ホテル客室数50万室の追加や国際空港の新設、80億ドルを投じる娯楽とスポーツと芸術の都市Qiddiya、リヤド北西部で500億ドルをかけて開発されるディリヤゲートなど「驚異的」な内容で、クルーズ振興のための港の開発も含む。

さらに、女性の社会進出などを含めて人権問題の「悪い過去」についてもゲバラ氏は多くの分野で事前の期待を超えて改善していると説明。女性は1人で運転したり旅に出たりできるようになってアバヤの着用や髪を隠す義務もなくなり、さらに社会的にも女性の雇用義務も設けられたという。

記事ではこのほか、ビジョン2030の進捗や欧米の旅行業界からの評価、観光局CEOへのインタビューなど多くの情報が取り上げられている。