英国は3月18日、新型コロナウイルスに関する入国制限を撤廃する。業界から廃止の要望が高かった乗客追跡フォーム(passenger locator form、PLF)の入力が不要となるほか、ワクチンを接種していない入国者も検査の必要がなくなる。
グラント・シャップス運輸長官はTwitterで、ワクチン接種の順調な進展によって可能となったと投稿し、イースターに向けてより大きな自由が実現するとアピールしている。
Travel Weeklyによると、英国の旅行業界からは歓迎の声が相次いでおり、例えば英国旅行業協会(ABTA)のCEOは「旅行業界にとって画期的な出来事。旅行がようやく正常に戻り、より多くの人々が自身を持って待ち望んだ休暇を予約できるようになる」と期待。
このほかスコットランド旅客代理店協会、Jet2.com、ヴァージンアトランティック航空、在英航空会社代表者協議会(Board of Airline Representatives in the UK)、英国ビジネストラベル協会、、Amex GBT、パイロット労働組合などのコメントも紹介されている。
Simple Flyingによると、EU加盟国27カ国のうち入国制限を撤廃しているのは10ヶ国で、こうした状況に対し国際航空運送協会(IATA)と国際空港評議会(ACI)が欧州全体で統一して実施すべきと要望しているところ。両団体は、新たな変異株が出現してすぐに入国制限が導入されてもピークを最大で4日間遅らせる効果しかないとの調査結果も示し、入国制限が効果のないものだと訴えており、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)も賛同のコメント発表している。
なお、英国の旅行会社関係者からはコロナに対する不安が残るなかで旅行会社経由の予約増を呼びかける声も出ており、消費者団体Witch?も「旅行前に感染すれば旅行が中断される可能性はまだ残る。消費者が金を保護する最善の方法は、パッケージ旅行を予約するか、柔軟なキャンセルポリシーを持つ宿泊施設や航空会社を使うこと」だと呼びかけているという。