BUSINESS TRAVEL NEWSによると、BCDトラベルの大中華圏担当MDは中国の旅行市場の回復スピードが他国のこれまでの事例を大きく超えるレベルとなると予想している。

3月末の段階で国内旅行は2019年の90%に達し海外旅行も40%から50%にまで戻る可能性があるとしたもので、その根拠のひとつは中国の航空会社や空港の多くがコロナ禍でも雇用を維持したこと。

例えば中国国際航空の例では21年末時点の社員数は8.8万人超だったが2020年比で見ると1.1%減にとどまっており、また中国東方、中国南方を加えた3社は2021年末段階でコロナ前よりも多くのパイロットを確保していた。Ciriumのデータでも中国のワイドボディ機約500機のうち400機がすでに稼働しているという。

BCDでもすでに予約の急増が確認されており、12月末から1月にかけて国際線航空券の予約はAPAC行きを中心に80%増となり、米英独仏などの長距離路線も好調とのこと。運賃は上昇しており2019年比で200%から300%と高騰しているが、最初の業務渡航のラッシュが落ち着けば50%から100%に戻すと見ている。

ただし出発前の検査やパスポート更新作業の滞留はリスクで、後者についてはコロナ前に発給済みだったパスポートの約20%は過去3年で期限が切れたと推計されており、同様にビザ発給の手続きについても懸念があるという。