travelmarket reportは、米国で旅行業界向け教育プログラムや認証制度を運営する非営利団体Travel Instituteの幹部が業界イベントに登壇し、トラベルアドバイザーにとって重要な専門性の見つけ方や育て方を説明したことを紹介する記事を公開している

「牛の集団のなかから紫色の牛として目立つため」に最も簡単な方法は自分なりのニッチな専門性を見つけることといい、地域やプロダクト、趣味などで自らの強みを確立する必要があるとの考え。

専門性の確立に必要なのは「情熱」と「自信」で、例えばディズニー旅行のスペシャリストはその好例。またクルーズも有望だが、ゼネラリストになるのではなく船のサイズやクラス、冒険船、家族連れなどの深掘りが必要。

専門性といってもそれしか売ってはいけないわけではないが、それが自分の専門分野であることを知ってもらうことが自分の自信と主戦場の明確化に繋がるという。

選ぶべき専門性を検討する際には、趣味、好きな場所、好きな本や作家、雑誌、好きな小売店や専門店、顧客開拓に役立つ地元人脈の有無、その潜在顧客の関心事などがポイントとなる。趣味といってもプロ並みの知識や経験が必要というわけではなく、例えば自分はワインが好きなだけでも親族や知人にソムリエがいるなら一緒に旅行を企画できる可能性もあるとした。

専門性の選択肢が絞られたら、次は市場規模、競合の有無、競合との相違点、市場への参入コスト、潜在顧客へのアプローチ方法やその容易さ、広告やマーケティングに必要な費用、リピーターの獲得可能性などが検討事項。

さらに重要なのはツアーオペレーターやサプライヤーなど販売パートナーの選択で、「「選択肢があるのだから、適切なパートナーと手を組むようにしたい」と指摘。自分の専門性の分野のオペレーターが誰なのかを知り、レビューを読んだり他のアドバイザーに話を聞いたりして正しいパートナーを選ぶことが重要という。

このほか、潜在顧客のグループをつかむことも有望で、例えば大学の同窓生やゴルフクラブ、居住地、交響楽団や美術館の協会、フード&ワインクラブ、事前イベント・団体などが候補になり得るとしている。

記事ではそれぞれの項目について具体例も交えて説明されているほか、マーケティングプランの立て方も紹介されている。

なお、Luxury Travel Advisorもラグジュアリー旅行の販売で成功するための秘訣を紹介する記事を公開。ここでは客を選ぶことや相談料を徴収することなどを提案。帰国後の感想で「まあまあ良かった」は最も避けなければならず、「すごかった。これまでで最高の旅行だった」と言ってもらえることが重要としている。