ホテルの客室や民泊物件で宿泊客が家具や家電、食器などを試し、気に入ったものを購入できるようにする仕組みが広がりを見せている。

メーカーにとっては宿泊施設をショールーム化でき、施設側には増収機会、宿泊客も気になる商品を気軽に試せるようになる。

PhocusWireが7月5日に公開した記事では、ニューヨーク発のスタートアップMinoan Experienceを紹介。メーカーと施設を結びつけ、宿泊客はQRコードから商品を購入可能。

Minoanの公式サイトによると現在は160超の企業と契約しているほか、宿泊施設のある地域の職人とも取り引きしているという。

PhocusWireは同種のスタートアップThe Host Co.も昨年末に紹介しており、こちらも民泊物件オーナーが自前のオンラインストアを開設し、物件内のアート作品や冷蔵庫内のスナックなどをなんでも販売できるようにする。

The Host Co.では気に入ったものを自宅に送るだけでなく、滞在中に必要な食品などを事前購入して室内に用意しておくことも可能。記事掲載時点では、導入済みの施設に宿泊したゲストの90%超がストアにアクセスして40%超が実際に購入まで進むという。

また英国では、大手小売業者とPinterestが共同で期間限定のポップアップホテルを立ち上げ、Pinterest上で見られるインテリアの最新トレンドを実際に泊まって体感できる試みもあった。

このほか、旅行と小売の関係では、旅行会社で旅行を予約した顧客にその旅行で必要となる可能性のある旅行用品や化粧品などを自動で提案し、購入に結びつくと旅行会社にコミッションを支払う企業が登場しているほか、ファッションECサイトが旅行予約サイトとのコラボレーションで、人気デスティネーションごとにおすすめのコーディネートを提案している例もある。

一方、民泊関連ではオーナーを組織化して家具などを割引販売するスタートアップも存在する。