コロナ禍によるリモートワークの浸透や往来再開後のリベンジ需要によって、これまではオフピークだった時期にも多くの消費者が旅行をするようになったことが世界中で報告されているが、ホテルや航空会社もこうした傾向への対応を迫られるようだ。

Travel Weeklyによると、以前であればオフピークの時期に設備や客室のメンテナンスやリニューアルを実施していたが、昨年の3月ごろからは常に繁忙期の状態で作業のタイミングを見出すのが困難になったというリゾートの例を紹介。

このリゾートでは作業を先送りして需要を最大限獲得する方法もあったものの、クオリティを保つために一部の販売を停止してでも実行することにしたという。また別のホテルでは、これまでより作業を細分化して進めたり、レストランの改装のために別の施設をポップアップで立ち上げたりする例があるという。

一方、別の記事では、米系航空会社が運航スケジュールの調整方法を見直していることを紹介。これによると、以前は法人顧客の利用が増える時期や時間帯を重視してきたが、現在は法人需要の回復に時間がかかっていることに加えてレジャーとビジネスがハイブリッド化したブレジャーまたはワーケーションが増加したで需要の変動幅が少なくなる可能性があるといい、航空会社も実際に曜日ごとの変動を平準化していく方向にシフト。

具体例としては、11月はサンクスギビングデーの休暇があるが今年は休日の前後に需要が集中せず、週にわたって平準化されると予測しているほか、ユナイテッド航空ではメキシコやカリブ海、欧州への需要が9月中旬でも「夏が終わったとは思えない」ほどの好調さだったという。