出張に休暇を組み合わせる「ブレジャー」需要は旅行観光産業でコロナ前から可能性を指摘されていたが、コロナ禍によるリモートワークの浸透でレジャー旅行の柔軟性が高まっているとしてさらに注目が高まっている。
ユナイテッド航空(UA)のスコット・カービーCEOは先週の決算説明会で、景気後退の不安を克服するための追い風の一つとして「(ハイブリッドワークによって)すべての週末がホリデー(holiday weekend)になる可能性がある」と説明。その根拠として、通常9月はオフピークとなるのに対し今年はUAにとって過去3番目に好調な月となったと語ったという。
カービー氏はまた、ハイブリッドな働き方がオフィスから旅行者を解き放ったとし、9月の好成績はコロナ禍によるリベンジ旅行ではなく「ニューノーマル」だと主張した。
また、米yahoo!ファイナンスの記事によると、ヒルトンのクリス・ナセッタCEOも今後の展望についてブレジャーを根拠に楽観視。現在は「旅行の黄金時代」の始まりであるとまで主張しており、それを含むコロナ禍での変化に対応するために新ブランド追加の検討余地も認めたという。
このほか、ブライアン・チェスキーCEOがかねてからリモートワークによる地殻変動を訴えているAirbnbでも、直近の決算で利用全体の半分近くが7日以上の滞在で、さらに28日以上も5分の1近くに上っていることが明らかとなっているという。