相変わらず動的グラフへの興味が尽きず、今度は「Our World in Data」というサイトを知りました。オックスフォード大学も関わる英国のNPOが運営しているサイトのようですが、ものすごい数のグラフが無償で、誰でも使用できるようになっています。地図をアジア、北米などに切り替えられたり、画像ファイルとして保存できたり、前回ご紹介したFlourish以上に高機能と感じます。

例えば、下記の図は前回Flourishからご紹介したのと同じくワクチン接種状況を比較したものですが、埋め込む際に国を容易に指定できるようになっています。

サイト上ではこれ以外でも、週ごとの感染者数(または陽性者数)を世界地図上で国別に確認できる図や、それの死亡者数版など、(コロナ関連以外もあるので逆に見るのが嫌になってくるほど)たくさんの図表が公開されています。

ポストコロナの回復期においては正確な情報の発信による安心感の醸成が重要となりますので、こうした客観的データを利用可能なサービスを今のうちからブックマークし、どのようなデータが利用可能なのかをあらかじめ確認しておいて損はないでしょう。

ちなみに、下の図は学校閉鎖や移動の制限などの項目で各国の対策の厳しさを評価し、それを国別に時系列で色分けして表示してくれるものです。昨年1月まで巻き戻して自動再生すると、最初は中国でうっすらと色づいているだけであったところから、3月ごろに急激に世界中で色が濃くなっていく様子を確認でき、新型コロナウィルスがどのように感染を拡大していったかを改めて視覚的に理解できます。

こうしてみると日本は、最初のロックダウンを含めてほぼすべての期間を世界と比べれば中から下くらいの厳しさで過ごしてきていることが分かります。にも関わらず、下図の通り人口100万人あたりの死亡数では欧米を中心に真っ赤に色づく国があるのに対して日本はほぼ無風で、「あまり死なないから対策も中途半端になった」可能性もあるとはいえ、厳しい状況であった諸外国からすれば奇跡のような国と見えるのではないかと思います。

とはいえ、今回はたまたま運良く日本を含むアジア人にとって優しいウィルスだったわけですが、そういうことが起きるということは逆もまたあり得ます。上述の通り状況が厳しくなれば対応も厳しくなる可能性はあるものの、状況を正確に認識して目標をどこに置いてその達成のためにどこまでなら犠牲にするのかといった戦略を立て、それを国民に周知して強いていくのは危機対応の基本でしょうから今がこうでは不安が募ります。