ホテル向けテクノロジー開発などを手掛けるD-Edge Hospitality Solutionsはこのほど、同社の顧客である欧州の3442軒、アジア太平洋の438軒のデータから客室の販売チャネルがコロナ禍でどのように変化しているかを探る調査を実施した。
2019年と2020年、そして2021年の5月までを比較すると、2019年の欧州における直販比率は21%であったが、2020年には30%となり、2021年には32%にまで高まった。また、アジア(中国は含まず)はもともと27%であったところから2020年に37%、2021年に41%と大きく増加している。
これに対して大手OTAのシェアは低下しており、特にExpediaグループは欧州で19%、10%、7%と減少しているほか、アジアでも16%、8%、6%となった。PhocusWireによると、D-Edgeのチーフ・デジタル・サービス・オフィサーはコロナ禍で移動が制限される中でパッケージに強みを持つExpediaが苦戦を強いられた可能性があると分析しているという。
Bookingグループについては、欧州は45%、47%、47%と横ばいであったが、アジア太平洋では39%、35%、30%とシェアを落としている。
ただし、OTAのシェアはかねてから縮小傾向にあり、欧州、アジアともに2017年には70%を超えていたところが2019年には60%台後半となり、2021年には欧州で59%、アジアで56%となっている形だ。
なお、調査では予約単価についてもまとめており、欧州では直販とBookingグループの2021年は2019年水準をすでに上回っているものの、Expediaは苦戦。これに対してアジアは、直販は2020年に比べて回復に転じてはいるが2019年には遠く及ばず、OTA2社は2020年水準も下回っている状況だ。