モバイルアプリ関連のマーケティングインテリジェンスを手掛けるSensorTowerがこのほど旅行系アプリを対象に実施した調査によると、米国において2021年7月現在で最もダウンロードされていた旅行予約アプリはHopperとなった。調査は、App StoreのトラベルとGoogle Playのトラベル&ローカルのカテゴリを対象に実施したもので、OTAなどの旅行予約アプリのほか航空会社やホテル、民泊・バケーションレンタル、バイクシェア、配車サービス(ライドヘイル)などのアプリも対象に含まれる。
2021年第2四半期のダウンロード件数は8500万件を超え、コロナ後の最高を更新。コロナ禍では昨年第2四半期に4000万件を切ったが、昨年第4四半期からは力強い回復を見せている。
全体ではGoogleマップ、Uber、Lyftが2019年、2020年、2021年上半期と継続して上位3位を独占。一方、4位以下は動きが激しく、今年上半期はExpedia傘下の民泊プラットフォームVrboが昨年の6位から4位に順位を上げ、5位はAirbnbが横ばいとなり、6位にはOTAとして成長著しいHopperが入った。10位以内へのランクインは今回が初めてという。
7位は昨年と同じくBooking.comで、8位以下はGoogle Earth(前年4位)、エクスペディア(同8位)、アメリカン航空(同9位)の順。
分野別のシェアで見ると、旅行予約アプリは2018年から2020年まで安定して全体の15%を占めていたが、今年上半期は19%と大きく増加。一方、配車サービスは2018年の20%から14%に下がった。航空会社のアプリは2019年に15%まで伸びたが、コロナ禍の2020年に12%に急減。今年は13%に戻している。
分野別の第2四半期のダウンロード数では、旅行予約アプリが前年比81%増の1060万回、航空会社が10%増の800万回、民泊・バケーションレンタルが53%増の590万回、ホテルが40%増の310万回などとなった。
旅行予約系アプリのみで見ると、上半期のダウンロード数1位はHopperだったが、トップ10のうち5つがエクスペディアグループのアプリ(エクスペディア3位、Hotels.com5位、Orbitz6位、Travelocity7位、Hotwire9位)であったほか、Bookingホールディングスも3つ(Booking.com2位、Priceline4位、Kayak10位)ランクインした。
Hopperは7月だけで130万回ダウンロードされるなど好調で、SnapchatやTikTokの広告をうまく活用できているという。
なお、ダウンロード可能なレポートでは、航空会社のアプリなどについても細かな考察が示されている。