European Travel Councilはこのほど日本と米国、カナダ、ブラジル、ロシア、中国の6ヶ国で今年の旅行意向について調査し、日本が最も否定的な回答の多い国となった。「今年中にEUを訪問したい」との回答では、ブラジルで63%、中国で57%、米国で45%に上ったが、日本は15%に留まっている。

また、調査では長距離の旅行とEU各国への旅行のそれぞれについて、回答者全体の意欲の度合いを指数化。100を超えると前向き、下回ると否定的であることを表すもので、米国は長距離旅行が117と高く、EU旅行も104とポジティブ。次いでブラジルも106と104となった。

これに対して中国は長距離旅行が102となったがEU旅行が98で、ロシアは91と94。そして日本は長距離旅行が79と圧倒的に低かったのに対してEU旅行が99と差のある結果となり、欧州の人気の高さが現れた。

長距離旅行の指数をセグメントごとに比較すると、全体として年齢は低い方が前向きで、また高所得者層であるほど意欲が高い結果となった。なお、年齢に関して、中国は唯一50代以上の層が最も前向きな姿勢を示している。


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海外旅行に出るために重視するポイントでは、全体ではワクチン接種が29%と最も高く、渡航先の感染状況とコロナ対策がそれぞれ28%で続いた。ただし国別では状況が異なり、日本はコロナ対策が43%で最も高く、隔離など制限の完全な撤廃が31%などとなり、ワクチン接種は25%となった。これに対してカナダとブラジルではワクチン接種が45%で最も高い結果となった。

このほか、市場別に訪問したい国も聞いており、ブラジルはポルトガルが1位、ロシアはイタリアが1位となったものの、日本、米国、カナダ、中国ではフランスが1位となった。日本の2位以下はドイツ、デンマーク、イタリア、フィンランド、英国、アイスランド、ギリシャ、オランダとなっている。

また都市観光、ビーチ、自然公園などの好みも聞いており、日本は唯一、都市観光を好む回答者が全体の60%を超えた。

調査結果では設問ごとの国別の回答状況などについて詳細に紹介されている。