Travel Weeklyは3月9日、世界保健機関(WHO)が2020年3月11日に新型コロナウイルスのパンデミックを宣言してから2年の節目を迎えるのに合わせてダイヤモンド・プリンセスの船内隔離対応で陣頭指揮を執った当時の責任者が語る舞台裏についての記事を公開した。
危機対応を担当したのはホーランドアメリカグループで法務担当責任者とEVPを兼務していたアンソニー・カウフマン氏で、2月初旬に香港の従業員から香港で下船した乗客が陽性だったとの情報がソーシャルメディアで出回っていると報告を受け、すぐに日本へ向かい、当初3名、最終的に60名まで増員されたチームとともに2666人の乗客と1045人の乗務員の不安や不満と向き合ったという。
対応にあたっては、プリンセス・クルーズのコアバリューであるという「Protect」「Respect」「Connect」を重視し、船内外で関係する人々の「安全と健康」を大前提に、日本政府やCDC、世界保健機関(WHO)とは「尊重」を持ってやり取りし、さらに恐怖や不満を和らげるため「徹底的なコミュニケーション」に取り組み、すべての行動について理由を説明するよう努力したとのこと。
記事では、船内でのオペレーションの見直しやチーム内のストレス対応などにも触れられており、現在は退職して危機管理のコンサルティングなどを手掛けているカウフマン氏が最も重要な教訓のひとつとして「危機の際には、人間同士で繋がり話をすることが重要」と語っていることなども紹介されている。