2022年3月3日から3月31日までに発表または報道された旅行観光関連の資金調達やM&Aの情報は下記の通り。民泊やバケーションレンタルなどの動きが引き続き活発だが、モビリティ系企業の調達や経営統合も複数見られる。

ユナイテッド航空はバイオテックスタートアップのCemtiva Factoryに出資する計画。

ケビン・コスナーが設立に関わるHearHereは320万ドル。AAA(米国自動車協会)も出資。スマートフォンの位置情報を利用してドライブ旅行中に名所や歴史についてのストーリーを配信。年間36ドルのサブスクリプション形式ですでに10万人以上が登録。(出典:Skift

福利厚生で従業員の有給休暇取得を支援するDóndeは330万ドル。顧客企業はクラウドベースのアプリケーション経由で従業員の旅行用貯蓄口座に資金を提供。従業員はオンラインで簡単に旅行予約できる。(出典:Skift

テキサス発、宿泊施設のデジタル化を支援するVirdeeは500万ドル。2020年創業で、宿泊施設はデジタルキーやオンラインチェックイン、バーチャルコンシェルジュなどの機能を自社モバイルアプリに組み込んで利用可能。(出典:PhocusWire

民泊ホストによるECサイト開設など支援のThe Host Co.は185万ドル。民泊施設内の調度品やスナックを販売できるもので、さらに食料品の補充や地元産品の仕入れ支援も。(出典:PhocusWire

次世代PMS開発のMewsはPOSソフトウェアのBizzonを買収。金額など不明。Bizzonのシステムはモバイルをベースとし、宿泊施設内のどこででもゲストの注文を受け付けられ、決済まで完了。またオンラインでの注文機能も持つ。Mewsは2月にも出典:同じくPMSのCeniumを買収しており、この2年の買収は合計5件となった。(出典:PhocusWire

16年創業のCruisewatchは100万ユーロ。ドイツ発でクルーズ旅行者向けの検索プラットフォームとB2Bでの旅行テクノロジー提供の2本柱で事業を展開しており、今回の資金はAIによる文章と音声の認識ツールなどの開発に投じる。(出典:PhocusWire

ベルリン発のマイクロモビリティスタートアップTierは北米の同業Spinをフォードから買収。詳細非公開。1年未満で同業を4社買収しており現在は21ヶ国520都市で30万台に成長、世界最大のマルチモーダルなマイクロモビリティオペレーターを自任。昨年10月には2億ドル調達も。(出典:PhocusWire

ドイツのeVTOL(電動垂直離着陸機)開発Volocopterは1.7億ドル。昨年にも2億ドル、創業以来の総額は5.79億ドルに。(出典:PhocusWire

ロンドン拠点のボートレンタルプラットフォームBorrow A Boatは英国のBeds on Boardを買収。Beds on BoardはP2Pでボートを貸し借りするプラットフォームだが、あくまで宿泊場所として利用するのが特徴。合計で65ヶ国の4.5万隻を扱うことに。なお、先月にはアムステルダムの同業も買収している。(出典:PhocusWire

決済業者でありつつ航空会社にクルーや旅客向けの宿泊手配機能も提供するFLEETCORは、航空会社向けサービス強化でLevartiを買収。Levartiは14年創業で、航空会社にチェックインや手荷物関連の機能のほか、遅延欠航発生時の通知、再予約、宿泊や送迎の手配、バウチャー発行などを含むテクノロジーを提供。(出典:PhocusWire

ホテル向け決済業者のSelfbookは1500万ドル追加。ホテルが自社サイトでクレジットカードに加えApple Pay、Google Pay、PayPalのワンクリック決済機能を導入可能。レストランやスパなどの予約機能も。(出典:PhocusWire

ホテル向けに収益や流通、マーケティングの管理ツールを提供するOTA INSIGHTはバケーションレンタル向けの同業Transparentを買収。宿泊産業全体にサービス提供へ。(出典:PhocusWire

民泊など短期賃貸向けマーケットインテリジェンスのAirDNAをプライベートエクイティのAlpine Investorsが買収。AirDNAはデンバー発で65ヶ国で8.5万社・人が利用。(出典:PhocusWire

フランス発シェアサイクルFifteenは4000万ユーロ調達。もともとはZoovとSmooveの2社が昨年経営統合。同国を中心に5万台を展開。(出典:PhocusWire

旅行管理アプリのTRZMOは120万ドル。フライトや地上交通、天候、為替などをリアルタイムで追跡しロイヤルティプログラムの管理も。AIでお勧めの免税品などの提案も。(出典:PhocusWire

WhyHotelは9000万ドル、PlaceMakrへの社名変更も。「ポップアップホテル」のコンセプトでホテルと賃貸の複合施設を運営。今後1年半から2年で7.5億ドル相当の不動産取得計画も。(出典:PhocusWire

ブロックチェーンをベースとした旅行流通に取り組むTravelXは1000万ドル。在庫情報をトークン化して流通改革。Hopperの元役員など参画。(出典:PhocusWire

インドネシアのGoToグループはIPOで10億ドル想定。昨年GojekとTokopediaが合併した会社で、ライドヘイルなどオンデマンドモビリティとECのサービスを提供。Googleやテマセク、テンセントなどから13億ドルの調達も。(出典:PhocusWire

航空券流通の革新を目指すDRCTは50万ドル。さらに年内に最大1000万ドル追加も。AIによるレベニューマネジメントやパーソナライゼーションで流通を最適化。(出典:PhocusWire

電動バイクのサブスクリプションサービスDanceは2000万ドル。ベルリン、ハンブルク、ミュンヘンで事業展開、ウィーンとパリへの進出も間近。ドイツの同業Rollich買収も。(出典:PhocusWire

英国で宿泊予約サイトを複数運営するSnaptripグループが新たにIndependent Cottagesを買収。Snaptrip、LateRooms、Dog Friendly Cottagesと合わせて事業展開へ。(出典:PhocusWire

手荷物預かりプラットフォームのStasherが同業のCubbyを買収。荷物を安全に預けたい旅行者やイベントの来場者と預かる場所のある店舗やホテルを繋ぐ。現在は6大陸の300都市超で展開。(出典:PhocusWire

ドバイ発MaaS企業のSwvlは欧州の同業Door2Door買収。昨年のShotl買収に続くもので引き続き欧州で事業拡大。(出典:PhocusWire

「オンデマンドレンタカー」のKyteはゴールドマン・サックスなどから2億ドル。昨年も3900万ドル調達。(出典:PhocusWire

アイスランド発で航空会社向けに次世代インターラインテクノロジーを開発するDohopは数百万ユーロ。スカイスキャナーの初期に出資したScottish Equity Partnersから。(出典:PhocusWire

宿泊施設で「お試し購入」を可能にするGlimpseは620万ドル。ラグジュアリークラスの短期賃貸やリゾートでベッドや電化製品、キッチン、ホームフィットネス機器などの製品を設置、QRコードで購入可能に。施設側にはコミッションなど増収機会。(出典:PhocusWire

民泊など非ホテル宿泊施設のメタサーチHomeToGoはドイツのバケーションレンタル運営E-Domizilを約4000万ユーロで買収。(出典:PhocusWire

スウェーデンのMinutが1400万ドル。民泊やバケーションレンタル向けモニタリングサービスを提供。センサーで騒音や施設稼働状況、室温などを管理。Airbnbなどと提携も。(出典:PhocusWire

アマデウスは航空会社向けレベニューマネジメントに取り組むスタートアップKambrを買収。金額など非公開。もともとアマデウス傘下のNavitaireと提携関係で、アルテアのレベニューマネジメントテクノロジーを強化。(出典:PhocusWire

サービスアパートメント運営のedynは1.05億英ポンド。チューリッヒとリスボンで23年に開業予定。今後2年で6軒計画。(出典:Business Travel News Europe

中国のサービスロボット開発Shenzhen ExcelLand AI(ExcelLand)はホテル運営企業BTG Homeinnsから金額非公開で資金調達。2020年8月にはHuazhuなど、2021年3月にはアリババなどから数億元を調達。さらに昨年10月にも2億元。(出典:

ホテル向けテクノロジー開発のNoniusはホテルにホワイトレーベルでゲスト用アプリを提供するCriton買収。(出典:TRAVOLUTION

ダブリン発のホテル向けテクノロジー開発のP3は75万ユーロ。従業員数を倍増へ。昨年にも35万ユーロ。(出典:PhocusWire

バケーションレンタルの独立系管理業者向けにダイナミックプライシングや流通管理、保険、パーティー開催阻止などのテクノロジーを提供するFuturestayは1100万ドル。(出典:PhocusWire

テルアビブを拠点に長距離バスやフェリーの事業者向けに予約プラットフォームや管理ソフトウェアを提供するBookawayグループは、アルゼンチンのOTAであるPlataforma 10を買収。ブラジルやチリなど近隣諸国への進出を支援。Bookawayは昨年に3500万ドルの資金調達も。(出典:Skift

空飛ぶ電動タクシー向けインフラ整備やドローンサービスを提供するSkyportsは2300万ドル。ドイツ鉄道のベンチャーキャピタルのほか日本の兼松も出資。兼松は役員も。(出典:TRAVOLUTION

短期賃貸向けの施設管理ソフトウェアを開発するUplistingは30万ドル。Twitterで出資者募集、8日で決定。(出典:TRAVOLUTION

フッティルーテン・グループはエクアドルのツアーオペレーターMetropolitan Touringの株式24.9%を取得。ガラパゴス諸島でのツアーで協業へ。(出典:Travel Weekly

ブリヂストンが自動運転シャトルのMay Mobilityに少数株主として出資(出典:TechCrunch Japan

コロナ禍でも2年間で売上3倍——宿泊・滞在事業展開のmatsuri technologies、20億円をシリーズC調達(出典:BRIDGE