カタールで中東初のワールドカップが開幕したが、外国人労働者の処遇やLGBTQ+差別などの人権問題への批判は止まず、英国の旅行業界メディアTTGは11月21日に「旅行業界はカタールを支持するべきなのか?」と題した2.1万文字を超える長文の記事を公開した。

記事では、スタジアム建設で6500人の外国人労働者が亡くなったとか、LGBTQ+であるだけで7年も禁固刑を受けるとか、レイプされたと訴えたワールドカップの女性関係者が100回のむち打ちと7年の禁固刑に処され上に婚外性交の罪で告訴されたとか、さらにカタール航空傘下のDMCで幹部を務めた人物が秘密警察に逮捕、拷問された挙げ句に自殺した(英監視官は自殺の証拠なしと判断)とか、表舞台の華やかなイメージとはかけ離れた事例が多く紹介。

セレブリティクルーズ幹部の「イメージ向上のために言うことと国民や外国人労働者にすることが乖離している証拠がある」とのコメントや、メディアに対する「是非我々の国に来てください。ただし質問はしないように」といった姿勢への疑問も掲載されている。

こうした状況に対し、記事ではさらに英業界でカタールの販売から距離を置く会社の事例や、コロナ禍の打撃でそんなことは言っていられない会社の声なども紹介。カタール側の言い分も伝えて難しい判断の助けとなるよう情報を発信している。