コロナ禍を経て、海外の旅行サイトや旅行観光業界メディアでは心身の健康をテーマとした宿泊施設についての記事が増加している。
例えばCondé Nast Travelerは12月7日に「2023年最大のウェルネストラベルのトレンド」と題して世界各地の自己啓発やウェルビーイングに焦点を当てた宿泊体験を紹介。
自然の中でのウェルネスへのニーズが高まって「マインドフルムーブメント」が新たな流行語となり、スキーやハイキング、パドルボートなどのアクティビティに興じる旅行者が増え、それに対して筋肉痛を避けるためのリカバリールームなどを備える施設も増加。またスポーツが苦手でも陶芸や織物、絵画など心を集中でき様々な「画面」から離れられる体験にも注目が高まっているという。
そして記事では、スパが科学的根拠に基づく遺伝子分析など最新のテクノロジーや病院並みの診断ツールを活用したり、長寿を目指すリトリートブランド「Sensei」では到着前にウェアラブル端末で睡眠やフィットネスなどのデータを収集することで滞在中の旅程をオーダーメイドで作成したりといった事例を数多く紹介。アンチエイジングではなく「プロエイジング」や「ロングライフ」といったキーワードが人気を得ていくと予測する声も紹介している。
一方Hospitality Insightsは、メディカルツーリズムに特化したホスピタリティブランドとして2019年に誕生したEnsanaが、今後3年間で施設数を大きく増加する計画であることを紹介。Ensanaは医師が常駐するメディカルスパが武器で、現在は中欧を中心に27軒を展開。記事ではその特徴や成長戦略なども記されている。
さらにGLOBETRENDERは、Kerzner Internationalが「没入型ウェルネス体験」を提供するフィットネス特化のホテルブランドとして新たに「Siro」を立ち上げたことを取り上げており、これによると同ブランドはフィットネス、栄養、睡眠、リカバリー、マインドフルネスを5本柱とし、宿泊客の「心と身体の潜在能力」を引き出すことを目的に設定。1軒目はドバイの「Siro One Za’abeel」で、記事では施設の特徴や設備、サービス内容などについても説明されている。
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