マイクロソフトが話題の対話型AI「ChatGPT」を融合した新たなBing検索を発表したが、その使用例に旅行先の提案が含まれていることで注目されている。

Skiftによると、英語版で示されている検索文は「I am planning a trip for our anniversary in September. What are some places we can go that are within a 3 hour flight from London Heathrow?」で、9月の結婚記念日にヒースロー空港から3時間で行ける旅行先を教えてほしいと質問。

これに対してBingはスペインのマラガ、フランスのアヌシー、イタリアのフィレンツェ、ドイツのベルリンを提示。それぞれビーチと太陽が好きならマラガ、山や湖が好みならアヌシー、アートや歴史好きならフィレンツェ、などと条件も付けて各地の魅力も概説している。

そしてChatGPTとの大きな違いとしてそれぞれの情報ソースへのリンクも掲出。この点が無数の検索結果から自分で選んで情報を得なければならないGoogleなどの既存の検索方法と異っており、浸透すればオンラインでの旅行情報の収集やOTAなどによる顧客獲得の流れにも大きな変化をもたらすことになる。

ただしAIが常に正しいとは限らず、むしろ少なくとも現在はポンコツぶりも目立つところ。例えば新しいBingの日本語版で示されている「9月に結婚記念日の旅行を計画してるんだけど、羽田か成田から3時間以内で行けるいいところを教えて。」の質問では、示される回答の候補がグアム、台湾、ケアンズ、北海道と脈絡がなく、しかも3時間以内と言っているにも関わらずケアンズに至っては飛行時間が7時間超と基本的な要求も満たしていない。

完全に機能を使えるようになるとこの候補の中から「グアムに行きたいです。」などの選択肢で会話を進められるようになるようだが、果たしてその先でどのような情報が得られるか。英語版ではChatGPTがMBAの試験に合格したとの情報もあり、海外では今後予想以上に速いペースで浸透していく可能性がある一方、日本語(など)では十分信頼できるサービスとなるにはまだ長い道のりが残っているのではないか。

ちなみにChatGPTを巡っては、ファクトチェックもおぼつかないコンテンツが粗製乱造されてオンライン上に溢れ検索の信頼性を著しく低下させる可能性も懸念されている。