欧州旅行委員会(ETC)はこのほど長距離旅行への意向を日本を含む世界6ヶ国で聞いた調査の結果を発表し、日本以外では順調に意欲が回復している傾向を報告した。

2023年の遠方への旅行について「絶対に行くつもり」から「絶対に行かないつもり」まで10段階で意向を確認したところ、旅行に前向きな側の5段階の割合は最も高いブラジルで79%に達し、日本の次に低かった米国でも60%となったが、日本は27%に留まった。同じアジアでも中国は78%と非常に高く、豪州も73%、カナダは70%となっている。

また「絶対に行くつもり」の割合でもブラジルは37%と最多で、豪州とカナダが27%で続いて米国が20%。中国は15%で、日本は3%のみだった。

レポートではこのほか、海外旅行を考える際の障壁とそれとは逆に意欲が増す要因についても国別で紹介している。

このうち日本について見ると、障壁ではそもそも「海外旅行を考えていない」が52%と高く、20%がコロナの不安、19%が生活・お金の不安(personal finances)を挙げており、コロナ関連の制限の煩雑さは6%に留まった。

一方、心理的に追い風となり得る要因では、43%が「personal finances」を選んで最多となっているのが特徴的で、2番目以降はロシアとウクライナ間の状況改善が22%、コロナ関連の制限緩和18%、バーゲンや割引が15%、旅行先でのコロナ対策が12%となっている。別の設問でも旅行先選択で重視する要素として現地の感染者数を選んだ回答者は14%に留まっており、コロナ自体を理由に躊躇する旅行者は減少している模様。

レポートでは各国についてもこれらの数値が確認できるほか、市場ごとに1月から4月までの欧州での旅行行動などについても紹介。日本については、最初の4ヶ月間で北東アジアの外へと旅行する意欲を示したのは13%に留まったといい、ETCでは日本発の海外旅行市場が2019年水準に戻るのは2026年、2023年は40%止まりと予想している。