BTN Europeによると、 TouristMobileとインスブルック大学が欧州で実施した共同調査で、出張者は行動経済学などでいう「ナッジ」によって航空よりも鉄道を選びやすくなることが明らかになった。
ナッジとは「そっと後を押す」といった意味で、直接的な命令よりも目立たない仕掛けによって自発的な行動変容を促そうとするもの。
調査は出張者1200人へのアンケートや100万回分の出張データ分析をもとにしたもの。モックアップのオンライン予約ツール(OBT)を使用したA/Bテストでは、まず航空券と鉄道乗車券を同程度の金額で提示し所要時間のみを表示。この場合、例えばベルリン/ミュンヘン間において飛行機であれば1時間10分であるのに対して鉄道は4時間30分となり、鉄道を選ぶ割合は半分に留まった。
一方、二酸化炭素排出量が航空は154kgに対して再生可能エネルギーを利用する鉄道は0kgであること、そして航空機の移動時間にはチェックインや保安検査、搭乗手続きなどの時間は含まないことを注意書きとして提示。そうすると鉄道の選択率は66%まで高まったという。
記事では、航空と鉄道を同時に検索できるOBTが少ないといった課題や、よりナッジの影響を受けやすい出張者像なども説明されている。