環球時報によると、中国人の海外旅行需要が夏に向けて急速に回復している。

北京や上海などの主要都市では、米国や欧州のビザ取得のための面接枠がすでに年末まで埋まっているような状況もあり、コロナ禍の累積需要が混雑に繋がっているとのこと。

またCtripのデータでは、夏の国際航空券予約はコロナ前と比べて50%を超えるまで回復しており、検索数だけで言えば上回っているところ。行き先では近距離が人気で、国別では日本、シンガポール、韓国、タイ、マレーシアの順。欧米は、ビザの面接予約が取りにくいことに加え申請が却下される懸念もあって比較的伸び悩んでいる。こうした状況下で、豪州などは需要獲得に向けて大規模なキャンペーンも開始している。

また、別の記事ではアウトバウンドと同時にインバウンドの回復状況も紹介している。

国際旅行の前提となる航空路線については、Reutersが米国線、OAGが欧州線について回復状況をまとめている。例えば欧州についてはコロナ前に28だった就航空港の数が24まで戻っており、残るはコペンハーゲン、ニース、オルリー、オスロのみ。ただし中国側では14都市しか運航が再開されてなく、回復は途上という。

中国市場のトレンドについては、人民日報もシニア層の旅行市場が大きなポテンシャルを持っていると紹介。2025年末の時点で健康な初老の旅行者の数が1億人を超え、市場規模は1兆元(約19.9兆円)に達し、現在の回復を牽引するのもシニア層であるとした。また記事中では現状や課題についても説明している。

このほか、JING DAILYは2027年までにアジア太平洋地域における国内免税販売の総額が810億ドルに達し、その87%が中国で発生するとの予想を報じている。全世界では1680億ドルとなる予測で、中国の割合は40%以上となる計算だ。