生成AIが旅行観光産業で持つポテンシャルが大きな注目を集める一方で偽の口コミが氾濫することへの懸念も示されているなか、あるTwitterユーザーが問題のある旅行情報サイトを取り上げて警鐘を鳴らしている。

批判されているのは「Family Destinations Guide」というサイトで、その名の通り家族旅行に特化して情報を発信している様子。何が問題かというと、掲載されている記事やそれを書いたとされるライターもすべてAIで生成された虚偽の情報の可能性があるという。

サイト上では複数のライターが「◯◯(地名)で体験すべきベストの××」といったタイトルで大量の記事を公開しているが、まずライターがこの世に存在していない様子。各ライターの個別ページではバストアップの写真とともにTwitterへのリンクが掲載されているが全アカウントが同時期に作られたままほったらかし状態で、LinkedInのアカウントも他の媒体で書いている記事も何らかの関連情報も見つからずとのこと。

記事自体も4年前に閉鎖したホテルを取り上げるなど誤った情報を含んでいる一方、その土地をよく知らないで一読する限りではそうした点に気付きにくいクオリティとなっているという。

投稿者は、サイトがSEOで重視される「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の観点から実在の人物のようにライターたちを作り出して実際に上位にも表示されているところで、Googleは今のところこうした手口に対して有効な対策を打てていないと分析している。

なお、投稿者に対して「コンテンツのクオリティは高い?これが未来であって、最終的にはこれのほうが読者にメリットがありそう」とのコメントも投稿されている。

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