先週は、4年ぶりの大阪開催となったツーリズムEXPOジャパンを取材する機会を得て、業界日の木曜日から一般日初日の土曜日午前まで会場にいました。コロナ禍の4年間を経ているので前回がどうだったかは思い出せませんが、開場前には結構な列ができていましたし消費者の関心は高そうに感じられました。大学・専門学校生まで無料としたことも称賛されるべき決断だったと思います。

ただ、イベントとして全体的に考えると、展示会場内は一部のブースを除いてやや寂しい印象で、シンポジウムも以前の旅博や旅行博だった頃と比べれば物足りなさを否めません。さらに目玉(?)の観光大臣会合は登壇者を集めすぎ&時間を管理できずで、たまらず途中退室してしまいました。昨年は同じく大人数の難しい状況でありながらそれを十分上手にコントロールされていたのですが。

ちなみに、会場の寂しい印象についてはトラベルビジョンにも同じようなレポートが出ていましたが、そもそも展示ホールまるごとでのばらつきもあり(詳しくは書きませんが)現場の運営スタッフですら一部のホールが他より閑散として見えることを認識してそれを口に出していました。

逆に、最も目立って印象的だったのは初日のレセプションの来賓で、菅義偉前首相や二階俊博氏らが登壇したほかにも政治家が何人も集まっていたようです。そうした状況を目にしていると「まあ見ている方向が違うのだ」と感じますし、旅行観光産業の社会的なプレゼンスを向上させることが極めて重要であることに異論の余地もありません。

ただ、そうはいってももう少し出展者や来場者、あるいは業界の現場にも目を向けないと車輪の片側が外れてしまって前に進めなくなるような事態が起きないとも限らないでしょう。

「自分の出展したエリアが他より劣って見えない」「出展してよかった」「シンポジウムが示唆に富んでいた」といった点は書いてみれば当然の話で、そう難しいことではありません。来年は両輪のバランスがさらに良くなることを期待しています。