今週は、木金と連続で更新を休ませていただいた。都内から都内ではあるが住まいを移すことになり、その作業に追われていた。

引越しは何度か経験があったのだが、今回はこれまでで最もハードなものとなった。一番の要因は、実家に居を移すことになったためにそちらでも不用品を整理しなければならなかったことだが、それを差し置いても以前はマンションでの生活だったのに直近の住居はそうではなく、ゴミ収集のカレンダーとにらめっこをしながらどのタイミングで何を捨てていくかを考えなければならず非常に難儀した。

また、今回は洗濯機や電子レンジを粗大ゴミで出さなければならなかったり、そうかと思ったら捨てるはずだった妻の10年以上前のゴルフクラブがフリマアプリで合計1万円以上で売れたりして、嬉しい反面手間も増えてしまった。

廃品をまとめて回収してくれる業者もいくつもあるようで検索広告も多数見られたが、本当にきちんと処理してくれるのか分からず、また見た限りではどの業者も◯◯円~といった表記ばかりでどのような条件ならどうなるといった目安すら見つからなかったため、面倒になって探すのをやめてしまった。

一方、引越し業者には恵まれた。声や話し方が嵐の相葉雅紀さんにそっくりで明るいアイドル風の先輩と、寡黙だけれども折り目正しい後輩という2人の好青年が驚異的なスピードで積み込みと積み下ろしをしてくれ、2トンショートという規格のトラックにほぼ満載の荷物で4万円未満。値段だけならもっと安いところもあるのかもしれないが満足だった。

ただし、これはただの運でもある。まず業者は、引越し侍という言わば引越し業者のメタサーチに登録して最初に電話をかけてきただけの縁だし、スタッフとの相性もこういう一期一会の場面では運に任せるほかなく、口頭での発注後にネット上の口コミに悪い書き込みがあるのを見ても後は祈るしかない。このあたり、旅行・観光の世界にも何かしら通じるものやビジネスのヒントがありそうな気がしながらも、バタバタしていたためまだ考えきれていない。

ちなみに、引越し侍は妻が操作したのでサービス概要や利用規約が不明なのだが、最初の業者で決めてからも物凄い数の入電があった。何度も断るのに辟易して機内モードに変えていたが翌日まで続き、今どき電話がこれほど主流かと驚くとともに、「もう結構」の操作が可能だったのかどうかが気になるところ。また、同サービス経由か分からないが、同じタイミングで引越し後のインターネットの契約についても勧誘の電話があり、確かにただ転居予定という情報だけでも営業の可能性は色々あるなと勉強になった。

もうひとつちなみに、引越し前の区では「1回あたり45Lのゴミ袋で3袋まで」というルールがあるらしかったのだが、それを守っていては数ヶ月かかるほどの排出量だったので様子を見ながら規定を超える量を出していったところ、特に問題なく回収された。集合住宅ではどの世帯から何個出たか確認できないわけで形骸化するしかなく、であればルール自体を見直すべきだろうにとも感じた。さらに1人暮らしと大家族で容積の上限が変わらないというのもおかしな話ではないか。

なお、今回の転居はほとんどコロナ禍が原因だったが、環境を変えればそれだけで気分転換になるし、普段使わない思考回路や筋肉が動き、また必要に迫られてとはいえ「断捨離」で心も身軽になる。

「まん防」も始まって苦々しい思いもするが、各国が往来制限の再緩和に踏み切っており、こういった根拠のない行動制限が幅を利かせる時間はそう長くないはず。きっと夜明けは近いと信じ気持ちを新たに力を尽くして行きたい。(松本)