コロナ禍で世界中の旅行会社が等しく影響を受けているが、海外ではビジネスモデルの刷新など思い切った決断で成功する会社も出てきている。
一つのトレンドがサブスクリプション形式で顧客に旅行相談や手配のサービスを提供するビジネスモデルへの切り替えで、TRAVEL WEEKLYが3月28日に公開した記事では、テキサス州の旅行会社の事例を紹介。
コロナ禍で何年分もの予約がすべて吹き飛び、キャンセルや払い戻しの対応に追われるなかで怒りを感じた経営者は、顧客も手配する旅行も厳選し、また常に不安定な旅行業界のなかで安定して報酬を得るためにこれまでとは異なるやり方でビジネスを展開したいと考えるようになり、弁護士とともに契約書を作成。
現在は50件の契約を条件とし、顧客は前金で5000ドルか1時間あたり250ドルで最大20時間を利用できるようにしており、ウェイティングリストも発生するほど人気。1度目の更新の際には、1回もサービスを利用しなかったのに更新した会員もいたという。記事では決断の背景や契約状況なども説明されている。
また、TRAVEL WEEKLYは別の記事でアラバマ州の旅行アドバイザーが、旅行会社と契約して個人で働くアドバイザーたちのためのコワーキングスペース兼店舗を開業。アドバイザー同士で協力したり意見を交換したりできるほか、店舗では旅行関連グッズも販売。グッズとデスティネーションを組み合わせたイベントなども計画しているという。
なお、サブスクリプションについてはTRAVEL WEEKLYの別の記事やtravelmarket reportの記事でも同様の旅行会社の成功事例を紹介してきたが、大手OTAなどでの導入事例も進んでいるところ。
特に好調なのが欧州のeDreams Odigeoで、その「プライム」会員の数は昨年末に前年比186%増の220万人に到達。25年度には725万人を超えると期待している。
ただしうまくいく話ばかりではなく、Tripadvisorは思惑通りに計画が進んでいないと報じられている。