ベンチャー企業のデータベースであるクランチベースによると、2020年の旅行・観光系スタートアップによる資金調達は合計629件・48億米ドルで、件数、額ともに過去5年で最低の水準に落ち込んだ。金額に目を向けると、2019年は108億米ドルで半分以下の結果となっている。

一方今年はすでに173件で34億米ドルに到達していて、例えばTravelPerkは先月に1.6億米ドルを調達しているし、航空運賃の動向予測で創業してOTA化を進めるHopperも3月に1.7米ドル確保している。

投資会社の考えとしては、「コロナ禍を乗り切った会社は回復力を保っていて自社が提供する価値を再構築する時間があった」、「StripeやSquareなど現在の優良フィンテック企業はリーマンショックの期間に誕生していて、旅行業界でも同様のことが起きるはず」というもの。

民泊など非ホテル宿泊サービスや分割払い・後払いなどフィンテック要素を内包した企業に期待が高く、変異株の懸念はあるものの需要回復も急速に進んでいることも資金流入の追い風になっている。