米銀キャピタル・ワンが旅行関連サービスを強化している。先ごろには旅行予約用の新ポータルサイト「Capital One Travel」のベータ版を公開したほか、今春には急成長しているOTA「Hopper」の1.7億米ドルの資金調達をリード。さらにこのほど、Kayak創業者が立ち上げた事業も買収したという。

Capital One Travelはクレジットカード会員をターゲットにHopperと共同開発したもので、航空券や宿泊、レンタカーの手配機能を備えるほか、95%の精度を自負するHopperの航空運賃動向予測機能、運賃仮押さえ機能、最低価格保証機能などを実装。また、予約1件にあたり4本の木を植えることで他との差別化も図っている。

また、今年3月のHopperの資金調達では、同時に長期の提携も発表。共同でCapital One Travelを開発してサービスを提供していく計画だ。

そして10月8日付けのThe Boston Globeの記事によると、キャピタル・ワンはこのほどボストンを拠点とする旅行会社「Lola.com」の従業員とソフトウェアを買収した。

Lola.comは、Kayak創業者のポール・イングリッシュ氏が立ち上げたテクノロジー重視のTMC(出張手配管理旅行会社)で、2018年からはAmex GBTと提携しGBTがLola.comのサービスを販売するなどして成長してきていたが、コロナ禍で打撃を受け人員削減や経費管理サービスの開発に乗り出していた。

そうした中でキャピタル・ワンはLola.comを取得し、イングリッシュ氏ら経営陣と従業員も雇用。The Boston Globeの記事では法人向けの経費管理サービスなどの開発を進めると書いているが、昨年買収したフライト保険などを手掛けるFreebirdの技術も含めて、旅行関連の開発能力はますます高まったことになる。

このほか、キャピタル・ワンは今年4月に、ダラス・フォートワース空港を皮切りに自前の空港ラウンジを展開していく計画も明らかにしている。

なお、最近は金融・フィンテック、インシュアテック界隈と旅行の関わりが強まってきており、Klookのように「ツケ払い」を導入する企業や、Booking.comのように旅行会社がフィンテック事業を立ち上げる動きも出ている。また、金融系スタートアップのRevoltも最近旅行予約ツールを発表している。