古くは「冬のソナタ」や「チャングムの誓い」、そして最近では「愛の不時着」に「イカゲーム」、また音楽でもBTSに代表される数多くのK-POPスターが活躍し、世界中で高い注目を集める韓国のエンターテイメント業界。その威力は観光の世界でも発揮されている。
最近の例では、「観光MV(ミュージックビデオ)」とも表現される韓国観光公社の動画シリーズ「Feel the Rhythm of Korea」で、韓国の伝統文化や各地の普遍的な魅力と現代的なダンスや映像を組み合わせて提示するもので、「五感で感じる韓国のリズム」の邦題が付けられた昨年のシリーズでは、多いもので5300万回近くも再生されて全体の総再生回数は3億回に迫り、高評価が22万件となっているものもある。
そしてKTOは今年も「韓国のリズムを感じながら巡る旅」と題して第2弾を公開。9月の公開から2ヶ月強の間に総再生回数は2.4億回を超えている。また、これとは別に韓流好きのミレニアル世代とZ世代をターゲットにガールズグループ「Brave Girls」を起用し、「Feel the Rhythm of Korea(with Brave Girls)」のシリーズ5本も公開し、軒並み1000万件を超える再生を稼いでいる。
また、ソウル観光財団はBTSを起用したプロモーションビデオを公開。こちらも公開から2ヶ月半で8100万件も再生されているところだ。
このほか、The Korea Heraldによると、「イカゲーム」の世界的ヒットを受けて、仁川観光公社がInstagramやFacebookでロケ地などを紹介。
また、実際には作品中に登場しない済州島も、主要登場人物の1人が「優勝したら済州島に行きたい」と言ったことでNewsweekが特集記事を掲載するなど注目が高まり、済州観光公社も「Squid Game: What would Player 067 do on Jeju Island?」と題した記事を公式サイトに投稿し、観光スポットやレストランなどについて紹介している。
さらに、韓流コンテンツの人気は韓国以外にも恩恵をもたらしているところ。Travel Weeklyによると、ガールズグループBLACKPINKのタイ出身のメンバーLisaさんがインタビューで故郷であるタイのブリーラムを取り上げたところ注目が急上昇。インタビューで触れられたブリーラム駅周辺のミートボール屋台が手掛けるオンライン販売の売上は突然10倍に跳ね上がった。
また、現地で撮影したミュージックビデオは今年9月10日の公開で24時間以内に7360万回再生され、現在は2.8億回超え。実際の訪問者の増加にも繋がっており、Lisaさんゆかりの場所を巡るツアーにも問い合わせが多く寄せられているという。