Routes Onlineによると、国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務総長は各国政府がオミクロン株の発見を受けて新たに入国制限を導入していることに対し、「パニック」「パブロフの犬のような対応」と批判している。
同氏は、「コロナ対応に2年近くを費やした今、我々は協調性のないパブロフの犬のような対応から脱却して新型コロナウイルスがエンデミックへと向かっていることを認識するべき」と主張。
また、「2020年4月に国際旅行がすべて停止し、旅行を禁止すればウイルスを抑制できると政治指導者たちが保証していたにも関わらずウイルスは拡散した。一方で、旅行禁止による人的・経済的コストは計り知れない」とし、「オミクロンへの対応に置いて各国政府がまたもや良識を無視していることに苛立ちを禁じえない」と批判した。
このほか、国際民間航空機関(ICAO)のファン・カルロス・サラザール氏事務局長は、「入手可能な最善の科学と証拠に基づいて対応し続けることが極めて重要」で過度な慎重さと制限のコストや影響について警告。そして、「どの国も孤立してウイルスを打ち負かすことはできない」とし、各国が感染を抑制しつつ国際旅行と世界経済の回復を促進するために、「連帯と平等の原則」に基づいて決定を下すことを求めた。
日本などが実施した入国制限の強化については、世界保健機関(WHO)や英国旅行業協会(ABTA)も批判しているところで、制限ではなく途上国の支援こそが取るべき道だとする意見は多い。