「ソーシャルグッド」は「社会に対して良いインパクトを与える製品や活動」を意味する言葉だが、BUSINESS TRAVEL NEWSによると大手企業では出張についてもソーシャルグッドを意識した選択が始まっている。

英国のシーメンスでは、最近ホテルの優先サプライヤーリストに「グッドホテル」を追加。グッドホテルの親会社であるグッドグループは利益をすべて駐米の子どもたちに教育を提供する財団に寄付。また、グッドホテルロンドンは、英国でも最も貧しいエリアの長期失業者のために研修プログラムを提供している。

このように利益の50%以上を慈善活動に充てる企業を「社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)」といい、シーメンスの担当者はそうした企業の製品やサービスを優先的に購入する「バイ・ソーシャル」の考え方を持っている。

同じく英国のデロイトの担当者も「バイ・ソーシャル」の取り組みを始めており、すでにイベント開催時の設営を社会的企業に依頼。今後も社会的企業への支出を加速していく方針という。

このほか、BUSINESS TRAVEL NEWSの別の記事では、出張の環境負荷の軽減に取り組む米国の企業が紹介されており、同社では300マイル(約482km)未満の移動は鉄道推奨、1人での出張時のレンタカーは中型限定、などの出張規定を追加。目的地から少し遠くなっても環境負荷の少ないホテルを選ぶといった選択を出張者にしてもらうためには、「強制ではなく教育」が必要との声も紹介されている。

また、CWTやアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(AMEX GBT)では、出張による環境への影響を具体的に把握するためのツールの提供にも力を入れているという。