国連世界観光機関(UNWTO)は6月3日、「UNWTO世界観光指標(ワールドツーリズムバロメーター)」の最新版を発表した。
第1四半期の海外旅行者の数は世界全体で前年の4100万人から1.17億人へと182%の増加を記録。増加した7600万人のうち4700万人は3月に記録された。
地域別の回復率では、域内の需要が牽引した欧州が280%増と最も高く、米州も117%増となった。2019年比ではそれぞれ43%減、46%減だった。
その他の地域では、中東が前年比132%増(2019年比、以下同:59%減)となったほかアフリカも96%増(61%減)となり、これに対してアジア太平洋は64%増(93%減)と遅れを取っている。
さらに細かく見ると、カリブ海と南欧が2019年比でも75%まで回復。デスティネーションによってはコロナ前を超えているという。
このほか、航空券などの旅客輸送収入を含めた観光サービスの輸出額は2021年に推定7130億米ドルとなり、2020年比4%増となったものの2019年比は61%減の状態。欧州と中東はコロナ前の約50%まで回復したという。また、1回あたりの支出額は2019年の1000ドルから1400ドルに上昇している。
こうした状況から世界の旅行観光産業関係者の中では楽観的な見方が増えつつあり、2023年に旅行者数が2019年水準に戻る可能性があると考える割合が48%となって1月調査の32%から大きく上昇。2024年移行との回答は64%から44%に減少したという。