日本政府が入国者数の上限撤廃や個人旅行解禁、訪日外国人旅行者のビザ免除などを検討していると報じられるなか、海外の一般メディアや旅行業界専門メディアでも「ついに日本旅行再開」と伝える記事が増えている。

英ガーディアンは、旅行観光産業からの圧力が高まるなかで来月末までに自由な観光が可能になるかもしれないとする記事を掲載。世界で最も厳しい水準の渡航制限を課しオミクロン株での全面的な渡航禁止措置では批判を招いたことを指摘したうえで、現在の緩和状況とともにオーバーツーリズムの懸念や円安による期待感など期待と不安が入り混じった状況を伝えている。

同様に、世界経済フォーラム(WEF)の公式サイトも日本の観光のポテンシャルとその実現を阻む規制や制限の状況を指摘する記事を公開。WEFが今年初めて日本を観光競争力で世界一と評価したことは日本でも大きく報じられ、日本旅行業協会(JATA)など観光関係者の拠り所にもなっているが、WEFの今回の記事では「円安の日本は魅力的な旅行先でありそれがもたらす経済的なメリットも大きい」としつつ、厳格な感染予防を継続しながら経済の活性化を両立させることは不可能ではないかと疑問を呈している。

こうした「世界でも最も厳しい制限」はあちこちで見られ、英テレグラフも江戸時代の鎖国を思わせるとも表現

しかし同サイトは続けて「限定的ながら正しい方向への一歩」である緩和によって「この見事なデスティネーションが再びすべてのウィッシュリストにナンバーワンに返り咲く」ことが可能になるとし、渋谷スクランブルスクエアや熊野古道での森林浴、長野県にある1日1組限定の体験型ラグジュアリーリゾートでのオリンピック追体験など、特徴ある20の体験を紹介している。

このほか業界誌では、旅行会社Gアドベンチャーズが10月から日本への少人数のツアー12コースを再開することや、JTB系で欧州7地点に店舗を構えるジャパンスペシャリストでも予約の好調な推移が見られていることなどを紹介。

ちなみにジャパンスペシャリストでは、訪日旅行のオンライン相談を25ユーロで提供し予約に繋がれば払い戻すサービスも設定しているという。