米Travel Weeklyによると、ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)が今月発表した最新の住民意識調査レポートで、15年以上にわたって続いていた観光に対する感情の悪化トレンドが改善傾向を示している。
「観光は問題よりも恩恵をもたらした」と答えた回答者の割合は、1988年から2009年までは70%から75%程度で推移し2010年に80%と最高に達したが2012年には急減。その後は減少傾向が続き、コロナ禍の2021年秋の調査では49%にまで低下した。
一方、これに対して2022年は春に回復に転じており、今回発表された秋の調査ではさらに春を上回って57%となった。
ハワイツーリズムオーソリティ(HTA)のCEOはこの結果について「良い方向に進んでいる」と歓迎し「各コミュニティの関係者や州政府他部門、業界関係者と力を合わせて取り組んできたデスティネーションマネジメントの努力」が実を結んできたと歓迎。今後も予算をコミュニティに直接投下して変化を推し進めていくとした。
具体的には、自分が暮らす島において観光がより良く管理されるようになったと回答した割合が春には41%だったところから44%へと上昇。同様に、観光の経済的利益と住民の生活の質とのバランス確保により多くの力が割かれるようになったとの回答も46%から49%へ上昇した。このほか、観光産業に対し良いイメージを持つ住民も62%から67%へと伸長した。
ただし取り組みが道半ばであることも確か。自分の島では観光客のために地元住民が犠牲になっているとの選択肢は1年前より1ポイント減ったとはいえ67%の回答者が選んでおり、1993年には45%だったところから大きく乖離している。