TTGによると、アンバサダークルーズラインの客船がフェロー諸島に到着した際に、クジラ漁の結果として海面が血が染まった状態となっており船会社が乗客に謝罪した。
広報担当者は、「入港のタイミングで狩りが実施されたことは非常に残念」「時代遅れの監修に強く反対」「数週間に渡ってフェロー諸島政府と観光当局と建設的な対話をしようとしてきたが、このような事態となり非常に残念」などとコメントしているとのこと。
また記事のコメント欄でも「彼らがやり方を変えるまで、この島への観光支援をやめることを提案する。このような野蛮な行為をやめるまで、すべてのクルーズ船はこの島を訪れるのをやめるべきだ。恥ずべきことだ」との投稿が見られる。
ちなみに英国では、トーマス・クックも最近イルカやクジラなどクジラ目の動物を捕獲し活用するアトラクションの取り扱いを終了しTTGも取り上げているところだ。
捕鯨に対する批判の渦は日本も明確な当事者であり、観光との対立構造が発生し得るという事実は留意に値するだろう。そしてそれについて考える際には、牛や豚、鳥などとの比較は当然として、さらに中国や韓国、東南アジアなどにおける犬食文化などについての自分たちの感覚についても改めて考える必要があるはず。
筆者個人の考えとしては、屠殺方法の残忍性についての議論は別として、しっかりと食べてなるべく余すところなく活用しているならば他者がとやかく言う筋合いのものではない。逆に言えば、例えば生きたままフカヒレだけを切り取ったサメを海に戻すような慣行は自分の価値観として擁護できないし、文化だからと言って実際の需要以上にクジラなどを捕獲するようなことがあるならばそれは正当化できないように思う。