Forbesによると、フロリダ州のロン・デサンティス知事による「文化戦争(culture war)」が旅行産業に影響を及ぼしはじめている。
同知事は人工妊娠中絶やLGBTQ+などについて保守的な姿勢を強硬に打ち出してディズニーなどとも対立し、黒人団体が旅行時に注意するよう促すなど以前から旅行需要への影響が懸念されてきたが、Forbesが伝えているのはビジネスイベントのキャンセル。
フロリダ州のオレンジ郡で開催が決まっていたコンベンションや会議が少なくとも5件キャンセルとなったほか、ブロワード郡でも少なくとも6件が州外へと開催地を移しているところ。これらによる経済損失は2000万ドルを超えると試算されるという。
またビジネスイベント以外でも、オレンジ郡の観光税収が4月に3.5%、5月に6.7%、それぞれ前年を下回っており、2021年2月以来の2ヶ月連続での前年割れとなった。オーランドエリアのホテル稼働率も低下し、独立記念日前後におけるウォルト・ディズニー・ワールドの来場者数も過去10年で最低水準という。
夏に向けて直近の数字は持ち直す見込みもあるものの、MICEのリードタイムを考慮すると真の影響は中長期で出てくる可能性が懸念される。
なお、英TTGは、カリフォルニア州のグレーターパームスプリングス地区の観光局でCEOを務めるスコット・ホワイト氏の「なぜ現代に生きる人々があのような想像を絶する判断をできるのか。今は2023年であって1963年などではない」との声も伝えている。