Asian Aviationによると、オーストラリア緑の党がブリスベン空港発着路線の運航を制限する法案の提出を計画している。

運航可能な便数に上限を設けるほか夜間の離発着も禁止するもので、上限は1時間あたり45便でこれは同空港の滑走路が1本だった頃よりも少ない数となる。また夜間のカーフューは国際線への影響が大きく、カタールやシンガポール、バリ、ドバイ、香港、台北、ホーチミンなどへの路線で週あたり数千席が利用できなくなる可能性があるという。

空港側は、これにより2042年度までに3.25万便と旅客290万人が失われ、2032年度までに3万人の雇用喪失や28.2億ドルの経済損失が見込まれることなどを列挙して批判。航空運賃の値上がりや地方の医療体制への影響、オリンピック・パラリンピックへの打撃などにも触れており、地域コミュニティが求める騒音問題などの解消は飛行経路などの見直しによって実現するべきと訴えている。

サステナビリティへの取り組みに対する社会的要請が高まるなかで、航空輸送は批判の矛先となっており、フランスでも旅客税の増税、航空運賃の下限設定などが検討、提案されているところ。一部は極端な内容でもあるが、豪州の緑の党も支持を拡大中であるなど市民にそうした施策が求められているのも事実。

旅行観光業にとって航空輸送は極めて重要な事業基盤であるものの、だからといって無条件に現状を維持、さらに拡充していける時代ではないことを受け入れ、その上で進むべき道筋を選ばなければならない。