PADDLE your own KANOOによると、ヴァージン・オーストラリアのジェイン・ハードリカCEOが5月17日にビジネスイベントに参加して、豪州は成人全員のワクチン接種完了後には、例え結果として死者が出たとしても国境を開放し往来を再開するべきだと訴えた。豪州は世界でも最も厳しい部類のコロナ対策によって感染拡大防止に成功しているが、「(ウィルスを)永遠に排除することはできないし、誰の利益にもならない」とコメントした。
また、豪州の市民は新型コロナウィルスにも、世界が経験している今の困難にもさらされていないためにかつてないほど弱くなっていくとの予測も示し、「我々の健康と経済のために国境を開放しなければならない」と訴えた。開放によって死者は多少出る可能性はあるものの例年のインフルエンザよりも少なく抑えられるはずで、新型コロナウィルスとともに生きる術を学ぶ必要があるとも語ったという。
ただし、ハードリカ氏は、コロナ対策のあり方を修正するためには現在の世論(narrative)を変える必要があり、困難な道程であるとも予測。国境封鎖は今後予定されている選挙を見据えた措置と見られていて、実際に西オーストラリアとクイーンズランドの両州で先行して実施された選挙でも制限緩和に厳しい姿勢を示した候補者が票を集めたという。
なお、同じくPADDLE your own KANOOによると、政府としては人口の大半がワクチン接種を完了した段階で一定の緩和を目指しているものの、ワクチン接種が順調に進んでなく少なくとも21年末までは実現は難しいとのこと。カンタス航空も、当初は10月の国際線再開を計画していたが、先週には12月末までの延期を決めている。