オーストラリア政府は10月1日、11月から国民と永住者を対象に出入国を可能にすると発表した。
豪州では現在、安全な往来再開のための4段階の計画に基づいて行動しているが、ワクチン接種率が1回のみ完了で78%、2回目も完了が55%となっており、一部の州・地域では来週中にも70%に達する見通しであることから、今後数週間以内にフェーズB、フェーズCへと移行していく予定。フェーズCでは、ワクチン接種を完了した豪州市民に対し海外旅行の再開を認める。
帰国時の隔離は継続するが、これも緩和していく。ワクチン未接種、または保健省の薬品・医薬品行政局(Therapeutic Goods Administration: TGA)が認めていないワクチンを接種している場合は14日間、自宅でなく管理化で隔離することになるが、TGAが認めたワクチンを接種していれば期間が7日間となり、準備ができた州・地域から自宅での隔離も可能とする。
対象のワクチンは、ファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、ジョンソンアンドジョンソンの4種類に、新たにシノバックとコビシールドも加えられた。
出国を希望する市民は、今後数週間のうちにワクチン接種歴を証明するためのワクチンパスポートを入手できるようになる。ワクチンパスポートは、国際民間航空機関(ICAO)が定める規格に準拠し世界中で読み取り可能なQRコードが含まれるようになるという。
また、発表分では政府としてニュージーランドなど一部の国と、安全の確保を前提に完全に隔離なしでの往来を認めるトラベルバブルにも取り組んでいく方針を明示。日本についての言及はないが、モリソン首相は以前から日本やシンガポールなどを候補として挙げており、さらに先月上旬には貿易・観光・投資大臣が日本からの入国時の14日間隔離について年内に撤廃される見通しを示している。
なお、カンタス航空は12月中旬の国際線再開を計画しており、この中で12月19日から羽田線も運航を始める予定とされている。