米国の旅行業界メディアSkiftは先ごろに、コロナ禍で変化する観光局のあり方を伝える2本の記事を掲載した。

1つは、コロナ前にはデスティネーション同士が旅行者を奪い合っていたところが、コロナ禍によってはライバル関係から協力関係へと意識が変わってきているとする記事。

例えば同じ国の異なる地域が力を合わせている例では、カナダのオタワとトロント、モントリオールの3都市が150万ドルを投じて初めて協働で観光プロモーションを実施。3都市の違いを比較して見せることでそれぞれの魅力を伝えており、エア・カナダとVIA鉄道も参画しているという。

また、バミューダとフォートローダーデールも、ヨット旅行の目的地として2地域をアピールするため2年間の契約を締結。それぞれピークシーズンが異なることを活かし、より効率的な誘客を目指す。

このほか、ブリティッシュコロンビア州(BC州)、バンクーバー、グレータービクトリア、ウィスラー、リッチモンドの各団体は、「チームBC」として最大の市場である米ワシントン州からの観光客誘致で団結。州内の秋の魅力に焦点を当てて需要を喚起している。

一方、もう1つの記事ではプエルトリコのDMOであるディスカバー・プエルトリコが「求職モード」でより広範な活躍の機会を探していることを説明。具体的には、コロナ禍で予算が削減される中で、広告などを制作するクリエイティブスタジオのサービスを外部の企業や団体に販売し始めているとのこと。

販売先は、プエルトリコのプロモーションという点で利害が一致していることを条件としており、これによりDMOとしての増収だけでなく、デスティネーション全体として外部に発信するコンテンツやメッセージの質の向上にも繋げたい考え。

ディスカバー・プエルトリコは、同地がこの数年でコロナだけでなくハリケーンや地震にも見舞われるなど厳しい状況にあったにも関わらず、戦略的なマーケティング展開によって記録的な回復を実現し、数々の賞を受賞するなど高評価を得ていたこともあり、年間で100万ドルの収益が期待できるという。