コロナ禍で運航が停止されそのまま活躍の場が奪われる可能性が高いとされてきたA380だが、ワクチン接種による入国制限の緩和で旅行需要が回復する中で再び運航する航空会社が増えてきた。

最も批判的な姿勢を表に出していたのはカタール航空CEOで、今年5月には「A380の購入は最大の誤り」であると発言していたが、A350のトラブルもあって退役を撤回。保有する10機のうち5機を11月初旬に戻す計画で、残りの5機の再開も検討している

また、ブリティッシュ・エアウェイズも11月から米国への定期便で12機のうち4機の運航を再開する計画。TTGによると、シンガポール航空も来月からヒースロー線に投入することを公表している。

さらに保有数が世界一のエミレーツ航空は2030年中盤までの運航継続を表明しており、11月末までに27路線でA380を運航することを発表済み。

このほか、カンタス航空も運航再開は23年以降の見通しを示していたが、来年7月への前倒しを決定。12機のうち2機は退役するが、残りは内装も刷新して2024年までに運航を再開するという。

さらに、アジアでは全日空が最後となる3機目の受領が今月中に予定されているほか、中国南方航空はメルボルン線などで現在も運航中。大韓航空も仁川から広州へ運航しており、合併するアシアナ航空と合わせて16機を保有することになるが、5年以内の退役を計画しているといい、逆にしばらくの間は運航が継続されることになる。

一方、ルフトハンザ・ドイツ航空やマレーシア航空、エティハド航空がA380の退役を決めているが、今のところ再開の動きはない模様。ルフトハンザは、9月に最後のフライトを終えている