国際航空運送協会(IATA)は11月23日、各国政府に対し国境開放と国際旅行の増加を安全かつ効率的に進めるため、シンプルで予測可能で実用的な手段を採用するよう呼びかける文書を発表した

特に「健康や防疫に関わる規制の簡略化」、「ワクチン接種歴や陰性の証明書を処理するためのデジタルソリューション導入」、「継続的な見直しによるリスクレベルに応じたコロナ対策」を求めている。

IATA副事務総長は「今後数ヶ月で我々は個々の国境の開放を超えて、地域社会を再接続し経済復興を後押しするグローバルな航空輸送ネットワークの回復に取り組まなければならない」とコメント。しかし、実際には各国が協調していないためにコロナ関連の施策は世界で10万件以上となり、この複雑さが大きな障害になっているという。

そして文書では推奨事項として、「WHOが承認しているワクチンの接種完了を条件に検疫や検査などすべての渡航の障害を取り除く」「ワクチン未接種でも出発前の抗原検査が陰性であれば検疫を免除する」「デジタルソリューションの導入についてEUやカナダ、豪州などの事例から学ぶ」「予測可能性を高めるために国際旅行に関わる意思決定に利用されるリスク評価内容を公表する」「既存の施策を見直し、不要となった際には停止できる『サンセット条項』を設ける」ことなどを列挙している。

なお、こうしたコロナ対策や渡航制限に関するルールの調和を求める声は欧州内でも上っており、Travel Weeklyによると、先ごろには航空会社、空港、クルーズ、旅行会社、OTAなどのそれぞれの業界団体や欧州旅行委員会、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が共同で各国政府に行動を呼びかける声明を発表している。