Breaking Travel Newsによると、国連世界観光機関(UNWTO)はスペインで開催した総会で、オミクロン株への対応として各国が導入した旅行の全面的な制限を取りやめるよう呼びかけた。
オミクロン対策では、日本などはすべての外国人の入国を停止中だが、米国などの各国がアフリカ南部の国々からの入国を制限しているところで、こうした動きは国連事務総長が「トラベル・アパルトヘイト」と表現するなど批判が高まっている。
こうしたなかでUNWTOは各国に対し、渡航を一律に制限するのは差別的であり効果がなく、世界保健機関(WHO)の勧告にも反することを指摘。また、対象の国や地域に汚名を着せかねないと訴えている。
総会では、加盟国などの参加者が「旅行制限は、状況の変化に応じた最後の手段としてのみ実施すべき」というWHOの勧告も支持したほか、制限を導入する際には「透明性があって科学的根拠に基づいたものでなければならないこと」、「渡航制限が観光に依存する途上国や個人など最も弱い立場にある人々にどのような意味を持つのかを十分に理解することの重要性」も強調されたという。