欧米を中心に日常生活でのマスク着用義務を廃止する国が増えるなか、航空機内での着用についても見直す動きが広がりつつある。
昨年10月にはエミレーツ航空の役員が少なくとも2年は機内でのマスク着用が続くと話していた一方、同じ月にスカンジナビア航空がスカンジナビア3ヶ国内の路線で義務を廃止。
そしてこの3月に入って英国のJet2、Tuiエアウェイズ、ブリティッシュ・エアウェイズとヴァージン・アトランティック航空、さらにヒースロー空港が相次いで機内・施設内での着用を不要とした(ただしブリティッシュ・エアウェイズについては、他国への乗り入れに支障が出ることを懸念して撤回したとの情報もあり)。
一方、米国では公共交通機関での着用義務が4月まで1ヶ月延長されたものの、業界や共和党支持層からの撤廃要求は強まっており、国際航空運送協会(IATA)も各国政府に取りやめるよう訴えている。
こうしたなか、オランダでは政府が機内と空港内を除く公共交通機関についてマスクを不要とする決定を下したところ、KLMオランダ航空を含む4社が不公平と反発。他の公共交通機関と同じく3月23日から着用を不要とすることを決めた。義務化継続の妥当性は失われているとの考えで、旅客に対する説明もしにくくなり、旅客の間でも不要との誤解が広がっているという。