PhocusWireによると、eDreams ODIGEOが発表した調査でサブスクリプションサービスの成長が最も大きいと期待される分野は旅行との結果が示された。

eDreams自体もサブスク事業が好調だが、北米と欧州の8ヶ国の1万人超を対象に実施した調査では、すでに旅行のサブスクリプションサービスを利用している回答者のうち90%が今後12か月以内に支出を維持または増加すると回答。減らすことを検討すると答えたのは9%に留まった。

回答者に占める利用率ではNetflixなどストリーミングサービスの利用者が75%で最多だったが、支出を増やす考えを持っていたのは29%に留まり、旅行は47%で大きく上回ったという。また、現在旅行のサブスクリプションサービスを利用していない回答者のうち利用を検討すると回答したのは24%で、こちらも他の産業のサービスへの利用意向を上回った。なお、回答者は平均すると4件のサブスクリプション契約を持っていたという。

旅行業界でも従来型のTMCがサブスクリプションプランを導入しはじめているほか、アラスカ航空もサブスクリプション型のフライトパスを販売しているところ。Skiftによると、米国で会員制のラグジュアリー旅行クラブとして成功しているInspiratoは今年第2四半期だけで3600万ドルの収益をサブスクリプションから計上。約3600人が1ヶ月あたり約2500ドルを支払っているという。

また、これとは別に旅行観光産業で注目を集めるのが決済などのフィンテックや保険関連のインシュアテックで、決済では後払い、略して「BNPL(Buy Now Pay Later)」の利用が急速に増えているところ。最近でもドーセットカンタス、キャセイ、ロイヤルカリビアン、デルタ、Klookなどが導入している。

こうしたなか、アマデウスが8月4日に公表した調査結果では、フランス、ドイツ、英国、米国、シンガポールの4500人のうち今後1年間でBNPLなど分割払いの選択肢を利用する可能性が高いと回答した割合が75%に達した。複数回答の設問ではあったが、クレジットカードを選んだ回答者は44%に留まったという。

なお、アマデウスの調査では今後1年間における部門別の支出意向も聞いており、例えばファッションについて優先度が高いと答えたのは25%となったのに対し、国内旅行は32%、海外旅行は42%となり、今後12ヶ月で海外旅行に支出する額は平均で2670ドルとの結果となった。